ゲニエヴァ・全ロシア国立外国文献図書館長及び

ネチャエヴァ・モスクワ国立大学付属アジア・アフリカ諸国大学教授への叙勲伝達式

 

 

 

平成27年6月16日

 

 

    6月16日,在ロシア日本国大使公邸にて,平成27年度春の外国人叙勲により旭日中綬章を授与されたゲニエヴァ・全ロシア国立外国文献図書館長及びネチャエヴァ・モスクワ国立大学付属アジア・アフリカ諸国大学教授への叙勲伝達式が行われました。

 

    伝達式では,原田親仁駐ロシア日本国特命全権大使から日露の相互理解の促進への貢献を称える祝辞(リンク)を述べるとともに,勲章を授与しました。その後,ゲニエヴァ館長及びネチャエヴァ教授から受章の答辞を,日本人社会を代表して松本幸雄ジャパンクラブ副理事長から祝辞を,それぞれ頂きました。

 

    伝達式には約70名の関係者が出席し,終始和やかな雰囲気の下で式が執り行われました。



20150616



 

<功績概要


ゲニエヴァ館長


(1)在ロシア日本国大使館及び国際交流基金への施設提供における貢献


    叙勲者は国際文化対話,国際文化交流を進める観点から積極的に各国文化センターとの連携を進め,それが折しも移転先を求めていた日本大使館広報文化センターの意向と合致し,叙勲者の熱心な協力のもとに同センターの開設に至った。新大使館庁舎の完成により同センターが退去した後には,国際交流基金暫定事務所を,同図書館の一部として受け入れた。こうして優良な拠点を得た同センター及び暫定事務所の活動により,現地における日本文化紹介は大きく進展した。


(2)日本文化事業の実施を通じた対日理解促進への貢献


    大使館及び国際交流基金が実施する日本文化紹介事業を同図書館で受け入れ,共催等の形態で積極的に協力することにより,現地の対日理解促進に大きく貢献した。また,叙勲者のイニシャティブにより同図書館が開催する「国際翻訳者会議」には,日本からもロシア文学者が積極的に参加しており,同分野での交流拡大が期待される。



ネチャエヴァ教授


(1)日本語教育を通じた対日理解の促進における貢献


    ロシア語話者のための日本語教授法研究の第一人者として日本語教育の水準向上及び日本語学習の普及に貢献。著作『中級者のための日本語』『初級者のための日本語』は,ロシア語で執筆された大学生向けの総合日本語教科書として,ロシア及びCIS諸国を中心に最も普及しており,ロシア語圏の日本語教育に多大な影響を与えている。


(2)ロシア・CIS日本語教師会会長としての貢献


   1994年にロシア・CIS日本語教師会会長に就任して以来,日本語教師の人材育成,日本語・日本文化の研究及び普及に尽力。日本語教授法に関する研究会の開催,国際交流基金との共催による日本語能力試験実施など教師会の活動範囲を広げ,日本語教師のネットワークを強化した。教師会はロシア・CIS地域の日本語教育に対する貢献により2012年に外務大臣表彰を受賞。


(3)初中等教育における日本語教育の支援を通した貢献


   初中等教育における日本語への関心の高まりを背景に,1993年,学校生徒向けの日本語弁論大会を創立。2011年には「学校における日本語教授法」研究会を開催し,ロシアで未だ専門が確立していない子ども向けの日本語教育に関して教師に指導することで,生徒の日本理解促進と学習者の裾野拡大に貢献している。