第21回安全対策連絡協議会について
5月24日,当館会議室において,第21回海外安全対策連絡協議会を開催しました。今回の会合では,上月大使から「在留届」や「たびレジ」の登録促進を呼びかけるとともに,適時・適切な情報提供を行う等,当館として在留邦人の安全対策に力を入れている点を説明しました。また,緊急事態が発生した際の連絡方法等について確認しました。
協議の概要は以下のとおりです。
- 開催日時:平成28年5月24日(火)
11時から12時30分迄
- 開催場所:当館会議室
- 出席者:全20名
- 協議概要
- 冒頭上月大使から以下の説明を行いました。
昨年来ISILはロシアをテロの対象にするとしており,最近もモスクワ近郊でテロを企図した者が拘束される事案が発生した。先般チトフ第一外務次官(領事担当)と会った際にも,在留邦人の安全対策強化を申し入れた。当館にとって邦人の安全を守ることは重要な課題の一つであり,しっかりと対応していく所存。皆様には各企業,家庭内での連絡網整備をお願いする。また,在留届,たびレジにも登録して欲しいということを広く関係者に伝えて欲しい。
- 大使館から安全対策連絡協議会の趣旨を以下のとおり説明しました。
- 大使館からロシアを取り巻くテロ情勢について以下のとおり説明しました。
内務省の犯罪統計によると,2015年中は「テロ行為」の認知件数が大きく減少している一方で,より広義の「テロの性格を有する犯罪」は増加。現時点,ロシア国内の日本人・日本権益を直接の標的とするテロ攻撃,或いは,モスクワやロシア国内におけるテロ攻撃に関する具体的な脅威情報には接していないが,ISILはロシアを攻撃対象として名指ししている他,過去にロシアでは多数のテロ事件が発生し,現在でもテロの摘発事案や既遂事案が発生していること等から,テロに対する十分な警戒が必要。また,9月18日に予定されている露国家院選挙に向けて市民運動・抗議運動が活発化し,治安情勢が流動化するおそれは,現時点では低いと見られるが,今後,市民の不満を刺激し爆発させるような何らかの事態が発生する可能性も排除されないので,引き続き,市民運動・抗議運動の動向には一定の注意が必要。
- 大使館からモスクワの治安情勢について以下のとおり説明しました。
- 大使館からテロの特徴と対処方法について以下のとおり説明しました。
- 大使館から狂犬病対策について以下のとおり説明しました。
- 緊急事態発生時の当館から在留邦人及び安全対策連絡協議会メンバーに対する情報提供方法を確認しました。
- 協議事項
- ロシアにはネガティブな印象を持つ日本人が多いが,人的交流促進のためにもロシアのポジティブな情報をモスクワだけでなく日本国内に向けても発信が必要との意見が述べられました。
- 大使館からの情報提供方法,外務省が発出する危険情報について地域情報や実態の反映等きめ細かな対応について意見交換が行われました。
- モスクワの空港の警備状況について説明があり,現在,2011年来警戒レベルが最高レベルとなっており,空港建物内の安全は確保されているように見受けられる由でした。
- 最近,モスクワ市内で道路工事が多く見られ,視界が悪くなることで車の運転には注意が必要との発言がありました。
安全対策連絡協議会は当館及び日本人社会・団体とのネットワークの強化の重要な場であり,在留邦人及び現地日系企業と当館との間で安全に関する問題を協議し,情報を共有するため積極的に協議に参加して欲しい。
モスクワ市の2015年における犯罪認知件数は2年連続で増加傾向にあるので注意が必要。また,いわゆる白タク被害も多いことから信頼できるタクシー会社の車を利用すること,さらに,日本では,伊勢志摩サミットが開催されることに伴い当館でも警備を強化していることから警備への協力をお願いしたい。
外務省が作成した「テロの特徴と対処方法」を当館ウェブサイトにリンクしているので一読をお勧めする。普段利用している場所の避難経路確認の徹底,携帯電話を紛失した場合の主要な連絡先のメモの携行,不審者や不審物があった場合にはその場から離れることを日頃から注意してほしい。
(モスクワでの狂犬病動物の事例,暴露後のモスクワでの対処方法,ワクチン接種方法,ペットに関する法令を説明し)モスクワで動物に噛まれた場合には早急に医療機関に受診すること,ペットを飼っている方は予防接種を励行してほしい。
以上