プレスリリース

 

麻生大臣のインタビュー(イタルタス通信社)

 平成19年5月2日

 


問1.(イタルタス通信)5月の初旬に予定されている貴大臣の訪露に関し、貴大臣の抱負如何。


(麻生大臣)

1.貴国は、国際問題を含む様々な問題について利害を共有する重要な隣国である。安倍総理も繰り返し日露関係を重視している旨述べておられる。

2.昨年秋の安倍内閣発足以降、日露間ではハイレベルの政治対話及び民間レベルの交流が活発に行われている。最近、ロシア側が、日露関係は上向きと評価し、我が国とのハイレベルの政治対話に高い関心を示し、未来志向の日露関係の重要性、私のロシア訪問の肯定的な成果への期待について言及があったことに注目している。

3.21世紀の日露関係を明るいものとし、本来両国が持っている可能性を飛躍的に発展させるためにも、日露間の最大の懸案である領土問題を解決する必要がある。

4.領土問題については、日露間では、これまでに達成された諸合意及び諸文書に基づき日露双方にとり受入可能な解決策を見出すため、更に精力的に交渉していくことで一致している。私の訪露の際は、こうした両国の一致した認識を踏まえ、ラブロフ外務大臣との間で、「日露行動計画」の一つの柱である領土問題を含む幅広い分野での日露関係を進展させていく方策につき議論を行いたいと考える。                 
    
    

問2.(イタルタス通信)2月のフラトコフ首相の訪日では、経済分野で協力を一層進めていくことで一致したが、具体的な協力の見通し如何。


    (麻生大臣)

1.フラトコフ首相の訪日を契機に、3月にヤクーニン・ロシア鉄道社長、4月にキリエンコ連邦原子力庁長官が訪日し、具体的な協力についての両国企業間の話合いが始まっており、様々な分野での協力が進むことを期待。特に、石油・ガス化学、原子力、電力、情報通信等、我が国が世界に誇る先端技術を活かして協力することができよう。

2.また、プーチン大統領自身が極東・東シベリア開発を国家プロジェクトに位置付けている。極東・シベリアの脆弱性を克服し、アジア太平洋地域への経済統合を進めることは、この地域の持続的発展と長期的安定にとって重要である。我が国は、極東・シベリアで先端技術分野を含む全ての分野で協力をしていく用意がある。ロシア側が具体的に何を求めるのか、早期に明確なプランを策定し、日本側と話し合いを始めるのであれば、日本政府としても、共に働く用意がある。