日露関係

 

 

プレスリリース
(大統領選挙監視)


 

平成24年3月5日

 

 当館は,3月4日(日)に行われた大統領選挙に際し,日本から選挙監視活動に参加した4名(上野俊彦上智大学外国語学部ロシア語学科教授他3名)と,同じく選挙監視活動に参加した当館館員より,以下の内容を骨子とするとりあえずの報告を受けましたので,お知らせします。

 

  1.  我々選挙監視員は,ロシア連邦中央選挙管理委員会からの招請を受け,3月2日からモスクワ州及びモスクワ市内において選挙監視員として今般の大統領選挙の監視活動を実施した。
  2.  

  3.  我々は事前の段階において大統領候補者の選対本部関係者らとの面会を通じ,選挙活動について調査を行った。また,4日の選挙当日にはモスクワ州プーシキノ市第2298投票所における定点監視,同2300,2307,2336及び2399投票所の巡回監視,モスクワ市第6,69,114,310,411,931,955,956,1698,1701,2079及び3249投票所の巡回監視を行った。
  4.  

  5.  監視員の今回の活動は,時間の面でも地域の面でも限定されたものであり,これをもって今次大統領選挙の全体について評価を下すことはもとより困難であるが,我々監視員が監視を行った範囲では,
    • 有権者に交付した投票用紙の枚数は,開票作業開始に先立ち発表されるべきであるにもかかわらず,我が方監視員が要求するまで発表されなかった
    • 開票作業中,ある候補者に投じられたとされる投票用紙の束を,実際に中身を確認することなく枚数だけ数えようとし,我が方監視員が指摘して初めて中身をチェックした
    等,必ずしも定められた手順に従って開票が行われていない投票所も見られた。なお,今次大統領選挙では,ウェブカメラの設置や透明な投票箱の導入等の新たな措置が講じられたことに留意している。
  6.  

  7.  このように,選挙結果の正当性を高める上では,投開票の運用面において更なる改善の余地があるように思われる。引き続き,他の監視団等の関係者とも意見交換を行う予定である。

以上