日露関係
プリセツカヤ,マイヤ・ミハイロヴナ(元ボリショイ劇場プリマ・バレリーナ)及び ソローミン,ユーリー・メフォディエヴィチ(国立アカデミー・マールィ劇場芸術監督) への勲章伝達式
平成24年2月29日
2月28日,平成23年度秋の外国人叙勲により旭日中綬章を授与されたプリセツカヤ,マイヤ・ミハイロヴナ(元ボリショイ劇場プリマ・バレリーナ)及びソローミン,ユーリー・メフォディエヴィチ(国立アカデミー・マールィ劇場芸術監督)への勲章伝達式が在ロシア日本国大使館にて終始和やかな雰囲気の下執り行われました。
伝達式では,原田親仁駐露大使から祝辞を述べるとともに,勲章が授与されました。また,プリセツカヤ氏及びソローミン氏から受章の答辞がなされました。
<功績概要>
1 プリセツカヤ氏
(1)我が国におけるバレエ文化の浸透への貢献
プリセツカヤ氏は,昭和43年の初来日以降,38回を越える来日を通じ,多くの日本人を魅了し,我が国におけるバレエ文化の浸透に大きく貢献した。
(2)我が国のバレエ水準の向上
プリセツカヤ氏は,昭和51年から日本で3年に1度開催されている世界バレエフェスティバルにもゲストとして客演し,日本のバレエダンサーにも大きな影響を与えた。さらに,同バレエフェスティバルに多くの世界的に有名なバレエダンサーを誘い,同バレエフェスティバルを世界的に権威あるものとしたことも特筆に値する。
(3)我が国の文化との交流
プリセツカヤ氏は,能の演目をモチーフにした「黒塚」に主演したほか,最近では平成20年に能楽界の第一人者梅若六郎と上賀茂神社にて能とバレエのコラボレーションを演じ,会場だけでなくテレビ放送を通じて感動を与えた。平成15年には宝塚歌劇場で「王家に捧ぐ歌」の振り付けを担当した。このような業績が高く評価され,我が国においても平成18年には第18回高松宮殿下記念世界文化賞の演劇・映像部門を受賞している。
2 ソローミン氏
(1)日露芸術交流促進への貢献
ソローミン氏は,ロシアでもっとも古い伝統的な演劇場として有名なマールィ劇場の俳優として長年,ロシア演劇界の中心的な人物として活躍する一方,映画や演劇の分野において,日本との交流促進に貢献した。映画の分野では,昭和50年公開され,同年のモスクワ国際映画祭大賞及び同年のアカデミー賞外国語映画賞を授賞した黒澤明監督による日ソ合作映画「デルス・ウザーラ」に主役として出演し,黒澤監督を始め日本の映画人と交流を深めた。その後,昭和53年公開の「白夜の調べ」,平成4年公開の「おろしや国酔夢譚」の二本の日本映画に出演して日露映画交流に貢献した。
演劇の分野でも,革命前からの長い歴史を持つ名門劇場マールィ劇場芸術監督として,平成2年に同劇場初の日本公演を実現させ,以後,平成5年,平成14年,平成16年の計4度にわたる日本公演をいずれも成功させ,日本演劇界に大きな影響を与え,日露演劇交流史の上で画期的な役割を果たした。
(2)ロシアにおける対日理解促進への貢献
ソローミン氏は,自身が芸術監督を務めるマールィ劇場において,日本の演劇等の上演に積極的に協力をしてきている。
例えば,2003年のロシアにおける日本文化フェスティバルの際には,日本のコンテンポラリーダンスや雅楽などの公演を実施。また,2007年にも日本の演劇公演を2回開催し,2010年には日本舞踊の公演を行うなど,文化庁,外務省,国際交流基金,日本大使館の文化事業を支援し,伝統的あるいは現代的な日本の舞台芸術の紹介を通じた日本文化紹介,対日理解の促進に大きな役割を果たしている。
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