日露関係
井出敬二公使のサマラ州訪問
2月2~4日、当館井出敬二公使はサマラ州サマラ市及びトリヤッチ市を訪問し、行政府、経済、文化、友好団体、現地在留邦人らと面談し、今後の様々な分野での関係発展のための意見交換を行いました。
同訪問には、ニジニ・ノヴゴロド日本センターの浜野道博所長が同行しました。
1 サマラ州行政府幹部らとの会談
ベンドゥソフ副知事、バブシュキン産業・エネルギー・技術省副大臣、イワノヴァ経済発展省副大臣、ルィバコヴァ文化大臣,バジュトキン人材養成政策局長らと会談し、経済関係その他の関係発展について意見交換しました。
井出公使からは、東日本大震災後のサマラ州関係者からの支援への謝意表明、経済・文化関係発展への期待を表明しました。
2 サマラ州人材養成機関との協力
サマラ州の人材養成機関である「サマラ地域人材センター」を訪問しました。同センターには、「サマラ州日本ビジネスパートナーシップ・センター」が2010年7月に開所されています。経営者養成ロシア大統領プログラムでサマラ州から訪日経験のある者は70名弱いますが、これら訪日経験のある者達が「サマラ・日本クラブ『フジ』」を作っています。同クラブの会員を対象に井出公使より日露経済関係と日本文化についての講演を行いました。「サマラ・日本クラブ『フジ』」関係者が東日本大震災後に支援活動を行いましたが、井出公使から同支援への感謝を改めて伝えました。
また人材養成で重要な役割を果たしているサマラ州国際市場大学を訪問し、学長らと意見交換しました。
3 トリヤッチ市アフトヴァズ社訪問
ロシア有数の自動車メーカーであるアフトヴァズ社を訪問し,幹部及び社員と今後の日露協力について意見交換しました。また同社内の研修施設(アフトヴァズ大学)で日露経済関係と日本社会・文化について講演を行いました。
4 文化交流
(1)ルィバコヴァ文化大臣の案内で,サマラ若者劇場「サマルト」及びサマラ・アカデミー・オペラ・バレエ劇場を訪問しました。サマラ在住の日本人バレリーナが出演する演目を鑑賞し,同人を激励しました。文化大臣からは日本との文化交流を積極的に進めたいとの希望が表明されました。
(2)サマラ州立芸術美術館を訪問し,リャブチュク館長の案内で視察しました。革命前のサマラは,小麦の集散地として繁栄し,ヨーロッパの商人も移住し,活躍していました。オーストリア商人フォン・ヴァカノ(19世紀末~20世紀初めにサマラで活動)がアジア,中東を広く旅行して集めたコレクションが展示されていましたが,沖縄,薩摩のものを含む日本の工芸品の展示も充実していました。
5 露日協会サマラ州支部幹部達との意見交換
露日協会サマラ州支部幹部と懇談しました。同支部は10年以上,日本の文化紹介などの事業をサマラ州で実施していますが,今後とも相互理解増進のために活発に交流をしていくことで意見が一致しました。
6 ショスタコヴィチ名称第一音楽学校(第二次大戦中日本大使館所在)
この音楽学校は,第二次世界大戦中,日本大使館が疎開していました。同学校の建物内を見学し,当時の日本大使館の様子を偲びました。
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