大使の主要スピーチ

 

チェス将棋相互交流プログラムレセプション上月大使ご挨拶

尊敬する羽生名人,シネリニコフ・ロシア将棋連盟会長,将棋・チェス愛好家の皆様,

本日はようこそお越し下さいました。本日のレセプションには,羽生名人にお越し頂いております。羽生名人は,日本の将棋史上最も多くのタイトルを獲得している将棋界を代表する偉大な棋士です。私も一度お目にかかりたいと望んでいましたが,本日羽生名人をお迎えすることができ大変名誉に思っております。今回日本の青年棋士とともにロシアを訪れ,ロシアの棋士と交流していただけることになりました。大変お忙しいスケジュールの中モスクワに来ていただきましたことに感謝申し上げます。

将棋は日本が世界に誇る代表的文化の一つです。安倍総理も『将棋は日本の文化であって、クールジャパンの一環として大いに将棋を世界に広めて行きたい』とおっしゃっており,将棋の普及は,クールジャパン戦略の一つとなっています。

ここモスクワでは,昨年,第7回日本大使杯将棋大会が開催され,シネリニコフ会長をはじめとするロシア将棋連盟の皆様の尽力により,将棋普及活動が精力的に行われております。しかし,頭脳スポーツ愛好家の多いロシアにあって将棋はロシア・スポーツ省において「頭脳スポーツ」として登録がなされておりません。これは将棋愛好家の数がそれほど多くないためです。この度の羽生名人訪露を契機として,ロシアにおける将棋の競技人口が拡大することを心より期待しています。

日本では昨年,ポーランド出身のステチェンスカさんが男女合わせて史上初めて外国人プロ棋士となり注目を集めました。ロシアにおける将棋人気が高まり,いずれはみなさんの中から,日本のプロ棋士が生まれ,日露の架け橋となることを期待しています。

ご静聴ありがとうございました。