東日本大震災5周年:追悼・復興・支援感謝レセプション
上月大使スピーチ
本日はこの我々にとって特別な日にお集まりいただき,ありがとうございます。それぞれの国民にはその日付を皆が記憶する出来事があります。日本人にとってそれが2011.3.11.,東日本大震災の日になりました。本日は,東日本大震災の際の迅速かつ温かいご支援を頂いたことに,心から感謝したいと思いお集まり頂きました。先ずは,犠牲となった方々の御冥福を祈りたいと思います。皆様,御起立の上,黙とうをお願いいたします。(黙とう)ありがとうございました。ご着席下さい。
私は当時欧州局の参事官として各国との連絡,支援の受け入れに関わりました。ロシア政府の動きは諸外国の中でも特に素早いものでした
ロシア非常事態省の救援隊は現地にいち早く到着し,直ちに行方不明者の捜索等にとりかかっていただきました。
同様に重要だったのは精神的な支えでした。多くの一般のロシア人が地震の犠牲者を追悼するために大使館に献花され,温かいお手紙をお持ちになり,義援金集めに参加しました。2012年9月には,キリル総主教は仙台ハリストス正教会を訪れ祈とうを行い,復興に向けて励まして頂きました。
被災地東北ではその復興が進んでいます。安倍総理は月に1回のペースで被災地を訪れ,現場関係者を励ましています。道路,鉄道,水道,電気,通信,学校,病院がほぼすべて復旧し,住宅再建工事が最盛期を迎えています。生産は震災前の水準を取り戻し,雇用も改善しました。
しかし,未だ多くの課題は残っており,約6万人が未だ仮設住居に住んでいます。原発の汚染水の対策では日露間で協力が検討されています。ロシアからの食料品の輸入規制は未だ解除されていません。引き続き御協力と御支援をお願いします。
この空前の震災は日本にとって厳しい試練でした。でも同時に,日露の連帯を確認する機会にもなりました。この様に,私たちは苦しい時の友は真の友ということわざの意味をかみしめたのでした。皆さんからの支援は深く私たち日本人の心に刻み込まれています。改めて御礼申し上げます。
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