上月大使着任レセプション
(上月大使挨拶)
(当館仮訳)
ご列席の皆様,
駐ロシア大使を拝命しました上月です。本日は,私の着任レセプションにお運び下さいまして誠に有り難うございます。会場にお越し頂いたお客様の中に多くの懐かしい友人の顔を見つけて,5年半ぶりにモスクワに戻ってきた,第二の故郷に戻ってきたと実感しております。
モスクワは今回で4度目の赴任となります。東京でもロシアとの関係に携わってきたので,入省以来,その半分以上がロシアという日本にとって重要な国と結びついてきたと言えます。大使を拝命し,名誉と受けとめると共にその責任の重さを強く感じています。
皆様ご存じのとおり,ロシアの紋章である双頭の鷲は東と西を見ています。ロシアの東の隣国は日本です。2013年4月に安倍総理が訪露した際,私は外務省欧州局長として随行しましたが,その際,日露間で外務大臣及び国防大臣の「2+2会合」の設立が合意され,既に第一回会合が実施されました。ロシアは,米国及び豪州に次いで世界で3番目に我が国との「2+2会合」に設立合意した国となります。この会合の設立は,アジア太平洋地域全体の安全保障の分野での協力を発展させることに対する両国の強い関心と意欲の証と言えます。
日露経済関係は相互補完的な関係にあります。エネルギー分野では長い協力の歴史があり,今や日本は天然ガスの10%をロシアから輸入しています。昨今では,ロシアでの生活向上に向けた様々な新しいタイプの協力が行われるようになっています。極東における温室の建設から,ロシアでの最新の日本の抗癌剤の入手まで多くの例をあげることができます。
多くの日本企業関係者はロシアのパートナーとの長期的な協力に引き続き強い意欲を有していると感じており,私は,日露間の経済関係の発展に尽力する所存です。
私と妻はロシア芸術の愛好家です。我々は再びロシアの芸術に触れる機会を得て大変嬉しく思っています。私はロシア人の画家に油絵を習っていました。妻も10年以上イコンを描いています。モスクワに着任後すぐにセロフ展を鑑賞に行きましたが,これはプーチン大統領よりも前に行きました。また,ロシアの人々は,日本の芸術に強い関心と深い理解を持っています。私は,日露間の文化交流のさらなる活発化に尽力する所存です。
そして,隣国だからこそ,難しい問題もあります。ロシア大使として,対話を強化し,共通の利益を拡大させる中で,平和条約の問題の前進に尽力する決意です。
「辛い時の友人が真の友人」というロシアのことわざがあります。2011年3月11日、日本が壊滅的な地震に見舞われた時に真っ先に救助隊を派遣してくれたのがロシア非常事態省でした。また,大勢のロシアの一般市民が日本大使館前に追悼のために献花し,募金活動に参加してくれました。あの日からまもなく5年が経ちます。我が国は友情を忘れません。私も友情を大切にしています。本日ここに集まって頂いた沢山の友人は,私がロシアとロシアの人々を理解するのを助けてくださった方達です。大使としての任務,即ち,両国間の友好親善関係の発展と強化を最善の形で全うできるように皆様方のご協力をここに改めてお願いさせていただきます。ご支援をよろしくお願いします。
そ我々の友好親善関係のため,また,ご列席の皆様のご健康とご成功を祈念して乾杯したいと思います。乾杯。
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