大使の主要スピーチ

 

 

ご列席の皆様

 

   本日は,2012年日本国外務大臣表彰授賞式にお集まりいただき,誠にありがとうございます。

 

   受賞者の皆様に対し,本日お集まりのお客様とともに,外務大臣表彰受賞を心からお祝い申し上げます。

 

   今回受賞されたのは,チェーホフ国際演劇祭総長のヴァレーリー・イワノヴィッチ・シャドリン氏と,ロシア日本語教師会です。それぞれの功績につき,ご紹介します。

 

   はじめに,ヴァレーリー・イワノヴィッチ・シャドリンさんです。シャドリンさんは旧ソ連時代にも演劇人同盟書記等として演劇界で重きをなしておられましたが、1992年に演劇連盟国際会議執行書記、その後議長になられ、ロシア最大の国際演劇祭であるチェーホフ国際演劇祭を立ち上げられました。以来、今日まで総長として同演劇祭を指導されるなかで、世界的に著名な演出家・鈴木忠志(すずき・ただし)氏の現代演劇作品や、近松座(ちかまつざ)による歌舞伎、文楽などの上演を進め、ロシアにおける日本の舞台芸術紹介に大きく寄与されました。また、日本における「ロシア文化フェスティバル」組織委員としてロシア文化紹介を行い、日露両国の文化交流、相互理解の促進に貢献されました。

 

   次にロシア日本語教師会です。同団体は1988年に日本語教育の促進、日本語・日本文化の研究及び普及に関する学術啓発活動の実施という目的のもとに設立され、以来四半世紀にわたりロシア、CIS地域の日本語教育を牽引してきました。活動の柱となるCIS日本語弁論大会は今年、記念すべき第25回を迎えます。ソ連からロシア・CISへの移行期の社会的混乱を乗り越え同地域における日本語教育を支え、その活動を通じて日本とロシアの相互理解の促進に貢献しました。本日は、リュドミラ・ティモフェーエヴナ・ネチャーエヴァ会長に同会を代表して、賞をお受け頂きます。

 

   シャドリンさんとロシア日本語教師会のご貢献に感謝と敬意を表し、日露文化交流を通じた相互理解の促進に今後もますますご尽力頂けるようお願いして、ご挨拶と致します。

 

   ありがとうございました。

(了)