大使の主要スピーチ

 
日露経済合同会議
原田大使挨拶文
(9月21日(水)10:00~)

 

   日露経済合同会議第12回会合開催に対してお祝い申し上げます。日本経団連日露委員会と産業家企業家同盟との間で毎年開催されている本会合は,両国間の経済関係と財界人交流の発展に重要な役割を果たしてきました。今月9月2日に野田新内閣が発足しましたが,日本政府の対露基本政策は不変です。

   9月6日に行われた日露首脳電話会談では,メドヴェージェフ大統領より,エネルギー協力や東シベリアにおける資源の共同開発等を今後とも拡大し,貿易経済関係,イノベーション,ハイテク分野で関係を発展させていく用意があると述べました。野田総理からは,大統領から指摘のあったエネルギーを含めあらゆる分野で協力関係を拡大していきたい旨の発言がありました。このように,日露経済関係の発展について,両国首脳は積極的な意向を有しています。この両国首脳の意向を踏まえ,具体的な動きもあります。

   昨20日に,ここモスクワで日露経済諮問会議が開催されました。本使とドヴォルコヴィチ露大統領補佐官が共同議長を務めたこの会合では,ロシア経済近代化という側面から,日露企業間で具体的なビジネス案件について意見交換が行われ,大変有益で実りある成果が得られたと考えております。また,10月には玄葉大臣とフリステンコ産業貿易大臣との間で,貿易経済日露政府間委員会共同議長間会合が開催され,さらに民間を加えた円卓会議も開催されます。

   2012年にはロシアが初のAPEC主催国となり,9月にウラジオストクで首脳会議を開催する予定です。日本はその成功のために協力を惜しみません。そして,ウラジオストクでのAPEC首脳会議開催を契機に,ロシア極東地域が一層アジア太平洋地域との相互依存関係を深めて,ロシア極東地域での両国間の経済関係の強化に繋がることを期待しています。

   国と国の関係において経済関係が主要なインフラを成します。そしてその経済関係において企業が中核的な役割を担っています。

   両国企業の皆様におかれては,今後の日露経済関係,そしてアジア太平洋地域の発展のため,具体的なビジネスを進めて頂きたく,大使館としても可能な支援を行う所存です。

   改めて,本会合の準備にあたられた日本経団連及び露産業家企業家同盟の関係者に敬意を表すると共に,本会合の成功を祈念申し上げます。

 

(了)