大使


    御挨拶

 
 

駐ロシア特命全権大使 上月豊久

駐ロシア日本国特命全権大使として昨年12月末に着任した上月豊久(こうづき とよひさ)です。今回は4回目,約5年半ぶりのモスクワ勤務となります。2016年の始まりとともに,決意も新たに日露関係の発展に再び取り組み始めました。

 

日露は互いに重要な隣国です。私は,日本とロシアが良好で安定した関係にあることこそが,両国のみならず,アジア太平洋地域にとっての利益になると確信しています。そのような認識の下,日本政府は,ロシア側と協力して,日露関係を今後も一層幅広く発展させる考えであり,また,二国間関係にとどまらず,アジア太平洋地域を含む国際場裡での日露パートナーシップを強化していく考えです。

 

安倍総理はこれまでプーチン大統領との間で,12回にわたる会談を行い,緊密な対話を積み重ねています。 私は大使として,首脳間 ・外相間を始めとする日露間の政治対話の促進に力を尽くしたいと考えております。平和条約締結問題についても,日本政府として,今後とも,様々なレベルでロシアとの政治対話を積み重ねつつ,我が国の国益に資するように日露関係を進めて行く中で,北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下,引き続き,交渉を粘り強く進めてまいります。

 

また,日露両国の経済構造も相互に補完的な関係にあります。最近では,従来のエネルギー分野等での協力に加え,省エネ,都市環境,医療,農業等のロシア国民の生活にも密接に結びつく新しい分野で有意義な対話が進んでおり,ビジネスの協力の裾野が広がることを期待しています。今後もこのような肯定的な協力を積み重ね,日本とロシアの経済関係を深化させていきたいと考えています。

 

さらに,日露両国民の互いの文化に対する興味も,より多様化してきています。ロシアでは,生花や茶道等といった伝統的な日本文化に加え,現代日本人作家の文学,アニメや漫画等のポップカルチャーも人気を博しています。今後も,恒例となった総合日本文化フェスティバル「日本の秋」を始め,様々なイベントを企画するとともに,学術教育交流やスポーツ交流についても,引き続き精力的に取り組んでまいります。

 

私は,ロシアの皆様,そして関係する方々の協力を得つつ,日本とロシアが,本年も,そしてその後も末永く,良好で安定した関係にあるよう,全力で取り組んでまいります。

 

駐ロシア日本国特命全権大使
上月豊久