大使

 

アルメニア天皇誕生日レセプションにおける大使挨拶
 

 

 御来席の皆様,

 

 本日は天皇誕生日レセプションに御出席いただき誠にありがとうございます。本年はアルメニアと我が国との外交関係の樹立から20周年を迎える年ですが,このような記念すべき年に,天皇陛下誕生日レセプションを当地で開催することができ非常に嬉しく思います。

  本年は,アルメニアと我が国にとり大変実り多い年となりました。外交関係20周年を記念した様々な行事がアルメニア及び日本にて開催され,また6月にはサルグシャン大統領が訪日されました。大統領の訪日はアルメニアと我が国の友好とパートナーシップを更に深化させる契機となったと確信しています。我が国としては,野田総理とサルグシャン大統領との間で署名された,「日本国とアルメニア共和国との友好とパートナーシップの更なる深化に関する共同声明」に基づいて二国間関係を更に発展させる所存です。

  大統領訪日の際の「共同声明」でも両国協力の主要な柱として言及されておりますが,地震の被害を経験した国として,防災協力は両国の共通関心事項です。訪日の際に,サルグシャン大統領が被災地を訪れて,被災した人々を優しく励まされました。その様子は広く報道され,日本人は深い感銘を受けました。

  更にもう一つのエピソードをご紹介したいと思います。震災直後,アルメニア人の男性がモスクワの日本大使館を訪問され,深くお祈りをするとともに,義援金を預けられました。そして,彼はこう述べました,「1988年のアルメニアの大地震の際,私は親戚を5人失い,子供も1人亡くした。自分も頬に傷を負った。今回テレビで日本の地震の映像が流れているが,人ごととは思えない。できることがあれば何でも言ってほしい。」。このことは日本でも報道され,感動を呼びました。アルメニアの人々がいかに日本に親しみを感じてくださっているかを物語るエピソードだと考えます。

  これまで多くのアルメニアの人々が,日・アルメニア関係発展のために貢献してくださってます。長い間そのような貢献をしてくださった皆様方に感謝の気持ちをこめて,この場で後ほど公館長表彰をお贈りする予定です。また文化行事としては明2日から映画館「モスクワ」にて日本映画祭が開始されますので,皆様のご出席をお待ちしています。

  アルメニアの皆様方のご協力を得て,本使としても今後とも日・アルメニア関係の発展に尽力する所存です。最後に,皆様と皆様の御家族の御健康と御健勝をお祈り申し上げます。

  ありがとうございました。