安全情報

 

在留邦人の皆様へ

 

平成25年12月30日
在ロシア日本国大使館領事部

 

安全上のお知らせ
(ヴォルゴグラードにおけるテロ事件発生に伴う注意喚起)

 

  1. 12月29日及び30日、ヴォルゴグラードにて公共交通機関を狙って相次いで爆弾テロが発生しました。報道等によれば、29日の駅での自爆テロでは死亡者17人、負傷者37人以上、30日のトロリーバスでの爆弾テロでは死亡者14人、負傷者28人以上の被害が出ていますが、犯行声明などの情報はありません。また、27日には、スタヴロポリ地方ピチャゴルスクでも爆弾テロが発生しています。なお、一連の事件を受け、モスクワ等主要都市においても治安機関による警戒が強化されています。本件事件発生に伴い、外務省から海外安全ホームページの渡航情報内でスポット情報が発出されています。
  2.  

  3. つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、相次いで発生している爆弾テロ事件を踏まえて、以下の点についてご注意願います(以下、モスクワ滞在の安全の手引きからの抜粋です)。なお、報道によれば、テロ事件が発生しているヴォルゴグラードのみならずモスクワにおいても警備当局による厳戒態勢が敷かれています。

    (1)所在の明確化
    不測のテロ事件が発生した場合、当館では直ちに在留邦人の皆様や旅行者の方々の安否の確認をします。これら安否に係る情報は、万一の場合における早期の支援や被害の拡大防止のために極めて重要なものとなりますので、次の点を参考に所在の明確化に御協力願います。
    (a) 外出する際には、家族や職場の知人等に行先地や帰宅予定等を知らせておくなど所要の措置を講じておく。
    (b) 外出時には、できる限り複数で行動するとともに携帯電話などの通信手段を確保する。
    (c) 外出先で何らかの事件・事故を認知した場合には、大使館に通報する。
    (d) 就寝の際は、電話を身近に置くなどして、できる限り深夜の電話にも対応できるように工夫する。


    (2)外出の際の留意事項
    これまでのところ、日本人又は日本関係施設がテロの標的になっているとの情報はありませんが、外出する際は、周囲の状況をよく見極め、不審な気配が感じられる際には、その場所からすぐに退避する、不審物件には近づかないなど十分な注意を払ってください。なお、一般的に注意を要する場所として指摘されているのは次のとおりです。
    (以下、参考列挙)
    (a) 報道等により危険性が示唆されている施設
    地下鉄・鉄道駅、空港、水利施設、石油精製工場等の生産関係施設、治安機関施設付近の公共施設や交通警察署詰め所等
    (b)不特定多数が参集し一般的にテロの可能性のあるとされる施設・場所
    スタジアム、大型スーパーマーケット、著名な広場(例えば、プーシキン広場、マネージ広場、戦勝記念公園、アルバート通り等)、大規模レジャー施設、ディスコ、スポーツバー、ロックやラップのコンサート会場、ゲームセンター等の遊興施設等
    (c) ロシア政府等関連施設
    政府関係施設、モスクワ市関係施設、権力を象徴する施設、都市機能の保全施設等
    (d) 特に人質立籠もり事件の標的となりやすい施設
    劇場、コンサート・ホール、映画館、閉鎖性の高いイベント会場、学校
    ※これらの施設は、不特定多数の人が参集し、かつ、一定の上演等の時間中、観客等の出入りが制限されていることなどから、犯人側にとって人質を確保しやすい状況にあるといえます。


    (3)その他一般的な留意事項
    (a) テレビ・新聞等の公開情報や各種ネットワークを通じた情報の収集に努める。
    (b) 日常生活において平素と異なる危険兆候(下見の可能性のある不審者(車)の徘徊、無言電話等の有無、不審物の放置など)の把握に努める。
    (c) 爆発物等不審物を早期に把握するため、住居や事務所周辺の整理・整頓に努める。(不審物を発見した際には、「踏むな」「触るな」「蹴飛ばすな」の三原則を遵守するとともに、直ちに警察、大使館に通報する。)


    (4)その他自爆テロ等に関する着目点
    群衆の中で、爆発物を装着したテロリストを見分けることは困難ですが、これらテロリストの特徴として一般的に次のようなことが言われていますので、参考としてください。
    (a) 自爆テロを企図するテロリストは、いわゆる“シャヒド・ベルト”と呼ばれる爆発物を固定した太いベルトを腹部や大腿部に装着する場合がある。それゆえ、一般的に動きがぎこちなく、特に走る姿にぎこちなさが顕著に表れたり、夏場でも不自然に厚着をしたり、コートをはおったりすることが多い。
    (b) 自爆テロを敢行しようとする者は、一般に緊張感からその振る舞いが神経質で、特異な印象を受けることが多い。また、死の緊張感から麻薬等の薬物を服用していることが多く、表情(特に目つき)や行動が異常な場合が少なくない。時として酩酊状態である場合もある。
    (c) テロリストが爆発物を作動させようとする時、大声で意味不明な言葉を叫ぶことがあるほか、爆発物を装着している腹部や大腿部等をまさぐる格好をとる。これは、爆発物に接続した電気導火線同士を接触させる必要があるからである。ただし、リモートコントロール式の爆発物の場合は、遠隔操作が可能となる。
    (d) 自爆テロは、これまで男性や女性を問わず行われています。
    身近なテロ対策として、テロリストとテロ実行犯は違うことを認識する必要があります。
    テロ実行犯は、自爆テロを実行するには、相当な覚悟や恐怖感があり、恐怖感を押さえるために、麻薬などを利用するケースもあり、そうした人物は目、口、容姿が麻薬中毒者等の特徴と共通するところもあり、「うつろな目」、「筋肉の緩み」、「繰り返してのつぶやき」等が見られ、公共交通機関内でこのような人物を見かけた場合は、一旦下車したり、離れたりなど日頃から注意してくことが大切です。