安全対策(当館より)
(1)16日、アルジェリア南東部イナメナスにおいて石油プラントが武装集団に襲撃され邦人を含む外国人多数が犠牲になる事件が発生したことは、既に報道等を通じてご存じのことと思う。今回の事件は、仏軍のマリ派遣などに反発したイスラム過激派による犯行とみられており、当地においてテロを首謀してきたチェチェン独立派武装勢力等との直接的な関係があるとの情報はないが、何らかの影響を及ぼす可能性も否定できない。
(2)当地においてはこれまでに、企業も含め、外国関連施設がテロの標的となる傾向にはないが、2002年10月のモスクワ劇場占拠事件、2004年9月のベスラン学校占拠事件といった、武装集団の襲撃により一般人が人質となり多数が犠牲となる事件が発生しており、今後、外国関連施設において同様の事件が発生する可能性も否定できない。
(3)また、2009年のネフスキー・エクスプレス爆破,2010年のモスクワ地下鉄連続爆破、2011年のドモジェドボ空港爆破テロといった公共交通機関を標的とした事件が発生しており、テロの潜在的脅威は引き続き存在していることから、昨年11月29日に開催した「第13回安全対策連絡協議会」においても確認したが、改めて安全対策につき確認のうえ徹底を図る必要がある。
(4)これまで当地で発生したテロ事件の被害者に邦人が含まれていないことは不幸中の幸いであるが、今後、邦人が被害に巻き込まれる可能性も否定できないことから,高い警戒心をもっていただきたい。特に安否確認を行ううえで重要となるのが所在の明確化である。企業におかれては社員との連絡手段は常に確保されていると思うが,外出時には家族や知人に行き先や帰宅予定を知らせておき、携帯電話などの連絡手段を確保しておくことは徹底していただき、テロ事件の有無に関わらず、連絡が取れないような場合には領事部にご一報いただきたい。テロ事件とは関係ないが、連絡が取れない邦人がいるとの連絡を当館にいただき、警察に照会したところ、強盗被害に遭い病院に収容されていることが判明した事案があった。
(5)アルジェリアの事件は首都から遠く離れた地方で発生した。当地においても、地方都市に社員がいる企業においては既に必要な措置は講じていることと思うが、安全対策担当者を指名のうえ万一の際の連絡先を明確にするなど、改めて地方都市の社員に対する安全対策につき確認をお願いしたい。
(6)外務省では、テロも含めた安全対策に関するいくつかのパンフレットを作成しているので、是非外務省ホームページ( http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.html )も参照願いたい。