モスクワ安全対策情報 (2019年1月)
平成31年3月11日
1 治安・社会情勢
(1)一般的治安情勢
ロシア内務省の発表によれば,2018年1月~12月のロシア連邦内の犯罪登録件数は全体で1,991,500件(-3.3%)となっている。
同時期においてロシア国内で認知された「テロ行為」は31件(-16.2%)であるほか,テロに準じた犯罪を含む「テロの性格を有する犯罪」は1,679件(-10.3%),「過激主義による犯罪」は1,265件(-16.8%)となっている。
※括弧内は前年同時期比
(2)政治的安定度
11月に民族主義団体等によるデモ集会が行われたが,その後大規模なデモ等は発生していない。
(3)反政府勢力の動き
かつて多数のテロ活動を行っていた反政府武装勢力「コーカサス首長国」は指導者がロシア治安当局に相次いで殺害され,その活動は減退していると見られている。
一方で,ISILに忠誠を誓った反政府武装勢力,シリアやイラクで戦闘に参加し帰還した者,ISILに影響された者によるテロの脅威は高まっている。
(4)対日感情
ロシア国民の対日感情は一般的には良好であるが,北方領土問題などで民族主義者や各種団体が当館に対する抗議を実施しており,今後,同様の抗議活動が当館や日本関連団体・企業等に対して行われる懸念もあり,警戒が必要である。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ロシア連邦内で発生している犯罪の傾向は以下の通り
ア 全犯罪の登録件数約1,991,500件のうち92.9%が摘発された。
イ 登録された犯罪のうち約半数が窃盗,詐欺,かっぱらい,強盗となっている。
ウ 侵入窃盗は昨年同時期に比べ16.0%減少した。
(2)被害例は次のとおり
【邦人一般犯罪被害】
●SNSを通じて知り合ったロシア人女性が,日本に渡航するために必要等として本邦在住の日本人に金銭を要求し,送金後は連絡がとれなくなる等の詐欺が頻発している。
●10月7日,邦人旅行者が地下鉄でスマートフォンを取り出すため鞄を開けたところ,肩にぶつかられ,旅券等が入っているポーチを盗難被害にあった。その後,旅券は見つかったとの報告があった。
【外国人一般犯罪被害】
●10月4日朝,モスクワ市5月9日通りにおいて,見知らぬ男が20歳代の男性の頭部を殴った上,顔面に催涙スプレーを噴き掛け,現金160万ルーブルが入ったバッグを奪って逃走した。
●10月22日,モスクワ市内において,タクシー運転手の女が乗客の男性からキャッシュカードを盗んだ上,現金5万ルーブルを引き出した。警察は47歳のタクシー運転手の女を逮捕した。
●10月22日,モスクワ市イズマイロフスコエ街道において,男が口論の末,拳銃を発射し相手の男性に怪我を負わせた。警察は,露連邦財務省で勤務する男を逮捕した。
●10月26日,モスクワ市プライズヴォツトベンナヤ通りに所在するスポーツクラブの更衣室において,男性客のロッカーから携帯電話及び指輪が盗まれた。警察はスポーツクラブ従業員の男を逮捕した。男は,これまでも換金目的で客から物を盗んでおり,被害総額は45万ルーブルに上るとみられる。
●10月27日,モスクワ市キロヴォグラツカヤ通りにおいて,見知らぬ男が男性に近づきズボンのポケットを引き裂いて携帯電話を奪って逃走した。警察は,モスクワ市民の29歳の男を逮捕した。
●10月27日午後4時頃,モスクワ市地下鉄クルージュスカヤ駅の車内において,見知らぬ男が14歳未満の少女に対し性的暴行を加えた。
●10月29日,モスクワ市ゴゴレフスキー通りにおいて,見知らぬ2人組の男が斧で男性を殴り重傷を負わせた。警察は,29歳の男を逮捕した。
●10月29日,モスクワ市セリゲルスカヤ通りにおいて,男性が子供と駐車中の車を撮影しようとしたところ,見知らぬ男の車と接触して口論となった。男性が警察に通報しようとしたところ,男が男性の頭をバットで複数回殴り重傷を負わせた。警察は,29歳の男を逮捕した。
●11月2日,モスクワ市800年通りにある住宅において,見知らぬ3人組の男が21歳の無職男性をナイフで脅迫した上,4,000ルーブル相当のゲーム機を奪って逃走した。警察は,31歳,23歳,20歳の無職の男らを逮捕した。
●11月5日夜,モスクワ市チェルタノフスカヤ通りにおいて,見知らぬ男が28歳の女性をナイフで脅した上,財布を奪って逃走した。
●11月8日未明,モスクワ市プリヴォリナヤ通りに所在する商店において,男が金庫を盗もうとしたところ警報が鳴り,駆けつけた国家親衛軍庁職員に対して拳銃を数発発砲した。国家親衛軍庁の職員は,ロストフ地方出身の40歳の男を逮捕した。
●11月9日夜,モスクワ市リャザンスキー大通りに所在する住宅の玄関前において,見知らぬ男が60代の女性をバールで殴打した上,2,000万ルーブルの入ったバッグを奪って逃走した。
●11月13日,モスクワ市クロポトキンスキー通りにおいて,見知らぬ男がタクシー運転手を襲撃し,車両を奪って逃走した。
●11月17日夜,モスクワ市サリンスキー横丁において,見知らぬ男が,17歳の女子学生の頭を殴り,現金と携帯電話を奪おうとしたが,奪うことができずに逃走した。警察は無職の男を逮捕した。
●12月14日夜,モスクワ市レスナヤ通りにおいて,男が巡回中の警察官を襲いナイフで胸を刺した。警察官は,威嚇射撃を実施した上,男を逮捕した。
●12月21日,モスクワ市チェルタノフスカヤ通りに所在するアパートのエレベーターにおいて,男が未成年の少年を脅して携帯電話を奪った上,性的暴行を加えようとしたが目的を達することができずに逃走した。警察は,前科のある38歳の無職の男を逮捕した。
●12月22日,モスクワ市ブラチェエフスカヤ通りにおいて,19歳の警備員の男性が左胸を刺されて病院に搬送された。警察は,無職の男を逮捕した。
●12月24日,モスクワ市アヴィアコンストルクトラ・ペトリャコヴァ通りにおいて,見知らぬ男が男性を拳銃で負傷させた上,食料品の入った袋を奪って逃走した。
12月24日,モスクワ市ミーラ大通りにおいて,見知らぬ3人組の男が無職の男性を襲った上,1万ドル,1万ユーロ,電話及び書類が入ったリュックサックを奪って逃走した。
●12月26日,モスクワ市第1ワルシャフスキー通りにおいて,見知らぬ2人組の男が男性にスプレーを吹き掛け,頭部を数回殴打した上,現金300万ルーブル,銀行カード及び書類が入ったリュックサックを奪って逃走した。
●12月26日,モスクワ市地下鉄オクチャブリスカヤ駅からシャボロフスカヤ駅に向かう電車内で,無職の男性のリュックサックから現金12万ドルが盗まれた。
3 テロ・爆弾事件発生状況
10月~12月において特にテロ・爆弾事件は発生していない。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
(1)邦人被害なし
(2)その他
特になし
5 日本企業の安全に関わる諸問題
(1)日本企業に対するものではないが,当館に対して領土問題に関する抗議活動が散発した。領土問題については,日系企業や団体,在留邦人,邦人旅行者であっても言動等に注意が必要である。
(2)ロシアの外国人管理には厳しい面があり,交通違反等であっても複数回違反した場合には入国禁止処分にできる規定もあるので,法令違反には注意が必要である。また,不法滞在の処罰も厳格化しており,うっかり気づかず数日間査証が切れていたり,滞在登録を忘れていたりする場合にも,違法行為として裁判となる可能性があるので,日頃から注意しておく必要がある。また,最近,夜間に地下鉄駅,主要幹線道路等で警察から旅券の提示を求められる場合があり,所持していないと警察署に連行されるため,旅券の携行を推奨する。
(1)一般的治安情勢
ロシア内務省の発表によれば,2018年1月~12月のロシア連邦内の犯罪登録件数は全体で1,991,500件(-3.3%)となっている。
同時期においてロシア国内で認知された「テロ行為」は31件(-16.2%)であるほか,テロに準じた犯罪を含む「テロの性格を有する犯罪」は1,679件(-10.3%),「過激主義による犯罪」は1,265件(-16.8%)となっている。
※括弧内は前年同時期比
(2)政治的安定度
11月に民族主義団体等によるデモ集会が行われたが,その後大規模なデモ等は発生していない。
(3)反政府勢力の動き
かつて多数のテロ活動を行っていた反政府武装勢力「コーカサス首長国」は指導者がロシア治安当局に相次いで殺害され,その活動は減退していると見られている。
一方で,ISILに忠誠を誓った反政府武装勢力,シリアやイラクで戦闘に参加し帰還した者,ISILに影響された者によるテロの脅威は高まっている。
(4)対日感情
ロシア国民の対日感情は一般的には良好であるが,北方領土問題などで民族主義者や各種団体が当館に対する抗議を実施しており,今後,同様の抗議活動が当館や日本関連団体・企業等に対して行われる懸念もあり,警戒が必要である。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ロシア連邦内で発生している犯罪の傾向は以下の通り
ア 全犯罪の登録件数約1,991,500件のうち92.9%が摘発された。
イ 登録された犯罪のうち約半数が窃盗,詐欺,かっぱらい,強盗となっている。
ウ 侵入窃盗は昨年同時期に比べ16.0%減少した。
(2)被害例は次のとおり
【邦人一般犯罪被害】
●SNSを通じて知り合ったロシア人女性が,日本に渡航するために必要等として本邦在住の日本人に金銭を要求し,送金後は連絡がとれなくなる等の詐欺が頻発している。
●10月7日,邦人旅行者が地下鉄でスマートフォンを取り出すため鞄を開けたところ,肩にぶつかられ,旅券等が入っているポーチを盗難被害にあった。その後,旅券は見つかったとの報告があった。
【外国人一般犯罪被害】
●10月4日朝,モスクワ市5月9日通りにおいて,見知らぬ男が20歳代の男性の頭部を殴った上,顔面に催涙スプレーを噴き掛け,現金160万ルーブルが入ったバッグを奪って逃走した。
●10月22日,モスクワ市内において,タクシー運転手の女が乗客の男性からキャッシュカードを盗んだ上,現金5万ルーブルを引き出した。警察は47歳のタクシー運転手の女を逮捕した。
●10月22日,モスクワ市イズマイロフスコエ街道において,男が口論の末,拳銃を発射し相手の男性に怪我を負わせた。警察は,露連邦財務省で勤務する男を逮捕した。
●10月26日,モスクワ市プライズヴォツトベンナヤ通りに所在するスポーツクラブの更衣室において,男性客のロッカーから携帯電話及び指輪が盗まれた。警察はスポーツクラブ従業員の男を逮捕した。男は,これまでも換金目的で客から物を盗んでおり,被害総額は45万ルーブルに上るとみられる。
●10月27日,モスクワ市キロヴォグラツカヤ通りにおいて,見知らぬ男が男性に近づきズボンのポケットを引き裂いて携帯電話を奪って逃走した。警察は,モスクワ市民の29歳の男を逮捕した。
●10月27日午後4時頃,モスクワ市地下鉄クルージュスカヤ駅の車内において,見知らぬ男が14歳未満の少女に対し性的暴行を加えた。
●10月29日,モスクワ市ゴゴレフスキー通りにおいて,見知らぬ2人組の男が斧で男性を殴り重傷を負わせた。警察は,29歳の男を逮捕した。
●10月29日,モスクワ市セリゲルスカヤ通りにおいて,男性が子供と駐車中の車を撮影しようとしたところ,見知らぬ男の車と接触して口論となった。男性が警察に通報しようとしたところ,男が男性の頭をバットで複数回殴り重傷を負わせた。警察は,29歳の男を逮捕した。
●11月2日,モスクワ市800年通りにある住宅において,見知らぬ3人組の男が21歳の無職男性をナイフで脅迫した上,4,000ルーブル相当のゲーム機を奪って逃走した。警察は,31歳,23歳,20歳の無職の男らを逮捕した。
●11月5日夜,モスクワ市チェルタノフスカヤ通りにおいて,見知らぬ男が28歳の女性をナイフで脅した上,財布を奪って逃走した。
●11月8日未明,モスクワ市プリヴォリナヤ通りに所在する商店において,男が金庫を盗もうとしたところ警報が鳴り,駆けつけた国家親衛軍庁職員に対して拳銃を数発発砲した。国家親衛軍庁の職員は,ロストフ地方出身の40歳の男を逮捕した。
●11月9日夜,モスクワ市リャザンスキー大通りに所在する住宅の玄関前において,見知らぬ男が60代の女性をバールで殴打した上,2,000万ルーブルの入ったバッグを奪って逃走した。
●11月13日,モスクワ市クロポトキンスキー通りにおいて,見知らぬ男がタクシー運転手を襲撃し,車両を奪って逃走した。
●11月17日夜,モスクワ市サリンスキー横丁において,見知らぬ男が,17歳の女子学生の頭を殴り,現金と携帯電話を奪おうとしたが,奪うことができずに逃走した。警察は無職の男を逮捕した。
●12月14日夜,モスクワ市レスナヤ通りにおいて,男が巡回中の警察官を襲いナイフで胸を刺した。警察官は,威嚇射撃を実施した上,男を逮捕した。
●12月21日,モスクワ市チェルタノフスカヤ通りに所在するアパートのエレベーターにおいて,男が未成年の少年を脅して携帯電話を奪った上,性的暴行を加えようとしたが目的を達することができずに逃走した。警察は,前科のある38歳の無職の男を逮捕した。
●12月22日,モスクワ市ブラチェエフスカヤ通りにおいて,19歳の警備員の男性が左胸を刺されて病院に搬送された。警察は,無職の男を逮捕した。
●12月24日,モスクワ市アヴィアコンストルクトラ・ペトリャコヴァ通りにおいて,見知らぬ男が男性を拳銃で負傷させた上,食料品の入った袋を奪って逃走した。
12月24日,モスクワ市ミーラ大通りにおいて,見知らぬ3人組の男が無職の男性を襲った上,1万ドル,1万ユーロ,電話及び書類が入ったリュックサックを奪って逃走した。
●12月26日,モスクワ市第1ワルシャフスキー通りにおいて,見知らぬ2人組の男が男性にスプレーを吹き掛け,頭部を数回殴打した上,現金300万ルーブル,銀行カード及び書類が入ったリュックサックを奪って逃走した。
●12月26日,モスクワ市地下鉄オクチャブリスカヤ駅からシャボロフスカヤ駅に向かう電車内で,無職の男性のリュックサックから現金12万ドルが盗まれた。
3 テロ・爆弾事件発生状況
10月~12月において特にテロ・爆弾事件は発生していない。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
(1)邦人被害なし
(2)その他
特になし
5 日本企業の安全に関わる諸問題
(1)日本企業に対するものではないが,当館に対して領土問題に関する抗議活動が散発した。領土問題については,日系企業や団体,在留邦人,邦人旅行者であっても言動等に注意が必要である。
(2)ロシアの外国人管理には厳しい面があり,交通違反等であっても複数回違反した場合には入国禁止処分にできる規定もあるので,法令違反には注意が必要である。また,不法滞在の処罰も厳格化しており,うっかり気づかず数日間査証が切れていたり,滞在登録を忘れていたりする場合にも,違法行為として裁判となる可能性があるので,日頃から注意しておく必要がある。また,最近,夜間に地下鉄駅,主要幹線道路等で警察から旅券の提示を求められる場合があり,所持していないと警察署に連行されるため,旅券の携行を推奨する。