令和元年度天皇誕生日祝賀レセプションにおける上月大使挨拶 (2020/02/13)
ご来賓の皆様,
本日は天皇誕生日レセプションにご出席いただき,ありがとうございます。今上陛下の御即位後最初の誕生日を皆様と共にお祝いできることを大変嬉しく思います。陛下は今年で60歳の還暦をお迎えになります。
「令和」という新しい時代が始まり,日露関係も新たなページが開かれました。日露地域交流年が1月からスタートしました。地域交流年の開会式は春に北海道で開催される予定です。その北海道東川町から,松岡町長が地元ブランドのお米を持って駆け付けてくれました。この地元のおいしいお米を使ったおにぎりをお試しください。
今年,日本航空及び全日空はモスクワから羽田空港へ直行便を就航させ,東京都心までの道のりが1時間以上も短縮されます。羽田空港からは日本各地に行き易いので,日本とロシアがより一層身近になります。ロシア人には我々の国の美しさを知ってもらう機会を増やします。その結果,観光客が増え,日本人とロシア人が互いをより良く知り,両国の関係が更に深まることを心から期待します。
両国を結ぶもう1つの良い話があります。日露地域交流年の最初の事業として,この1月,岐阜県のかかみがはら航空宇宙博物館はモスクワ市立宇宙飛行士記念博物館と覚書を締結しました。一昨日,両博物館による最初の取組として,「こどもTV会議」が開催されました。熱意をもって宇宙飛行士の話を聞いた日本とロシアの小学生が,20年後,一緒に宇宙へ飛び立つかもしれません。
このとおり,「おにぎりから宇宙まで」日露のつながりは幅広く活発に発展し,国民同士がますます身近になってきています。
日本の皇室は,ロシアとは縁遠いと思われるかもしれませんが,そうではありません。実は,皇后陛下は幼少期をモスクワで過ごされ,ソ連の幼稚園に通われていたのです。
レフ・トルストイはこう書いてます。「真の社会の発展は人々がますます一体となることにある。(Общественный прогресс истинный - в большем и большем единении людей.)」日本とロシアが更に近づき,両国のつながりがより一層強くなることを祈念します。
この記念日を我々と共にお祝いいただいた出席者の皆様に感謝いたします。
ご静聴ありがとうございました。
(了)