第21回対日友好団体代表者会議レセプション上月大使ご挨拶
露日協会各支部代表の皆様,地方政府関係者の皆様,
ご列席の皆様,
大使として皆様を公邸にお迎えするのは5回目になりますが,私は,このレセプションを毎回楽しみにしています。皆様が一貫して日本との懸け橋として各地で活躍されている様子を目にし,実に大きな力を感じるからです。また本日は,今年創設された露日クラスノダール地方支部も初参加されていると承知しており,仲間が増えることを歓迎します。
まず,「ロシアにおける日本年」の開催にあたり,皆様から示された御協力に改めて御礼申し上げます。今年6月まで行われた「ロシアにおける日本年」には,59都市で600件以上の行事に160万人以上のロシア人が参加し,大きな足跡を残しました。その中で,私たちは,地方においても多くの行事を行うことを重視し,大規模日本文化フェスティバルや20近くを数える日本映画祭などを実施することができました。質・数ともに素晴らしい結果となったのは,露日協会の支部の皆様,そして地方政府の協力のおかげです。ありがとうございました。
尊敬する皆さん,
こうした日露交流年で得られた幅広い交流のモメンタムを一層発展させていきたい。地方のさらに奥まで浸透させたい。こうした願いを込めて,両首脳は,2020年から2021年を日露地域交流年とすることを決めました。ロシアは広大な国土と多様な民族を有し,個性ある地方があります。日本にも,それぞれの地方に特色と強みがあります。こうした両国の特性を考えれば,ロシアとの間で人的交流を飛躍的に拡大していく上で地方の果たす役割は大きく,地方の交流を活性化していくことが鍵の一つとなると確信します。
こうした考えから,今年だけでも13都市に行きましたが,ロシアの地方がもっている美しさ,人の温かさ,美味しい料理は忘れがたいものになっています。日本の方にもこうしたロシアの地方の良さを知っていただきたいと思っています。
幸い,日本とロシアの間には直行便の路線が増えています。来春から,JALはシェレメチェボ空港・羽田空港に変わります。いずれも地方へのアクセスが良い空港であり,東京から,例えばムルマンスクまで,10数時間で行くことができるようになるわけです。日露の地方がそれぞれに近くなれば,観光客の往来も増えていくことでしょう。
また,こうした人的交流の拡大は,経済面での結びつきを強める上で極めて重要です。その地を知らずして,投資はありえないからです。観光などでまずは訪問し,気に入ったから,投資をしたい。こうした人が出てくるかもしれません。日露両政府は,2023年までに相互訪問者をそれぞれ20万人,計40万人にする目標を掲げています。その目標に近づく取組みとしても,日露地域交流年を盛り上げていきたいと思います。
尊敬する皆さん,
皆さんの地方のこと,そして日本との繋がりを,ロシア,ひいては日本の多くの人に知ってもらいたい。そのための広報も重要です。今日は,地域交流年の情報パートナーであるタス通信社から,コプノフ副社長にお越しいただきました。タス通信社の発進力をお借りして,皆様の活動をぜひ発信していただきたいと思います。大使館としてもできる限り協力しますので,ともに地域交流年を盛り上げていきましょう。
最後に,恒例となりましたが,これから琴の演奏をしていただくモスクワ音楽院和楽器アンサンブル「WA-ON」の皆さんを改めてご紹介します。カラテギナさんには毎年,「日本の秋」で主導的な役割を担っていただき,ありがとうございます。それでは,美しい琴の音を聞いていただき,その後は,和食を用意させていただきましたので,是非ご堪能下さい。
ご静聴ありがとうございました。