2019年自衛隊記念日レセプションにおける上月豊久大使歓迎挨拶
ご列席の皆様,
本日は,2019年自衛隊記念日レセプションにお越しいただき,誠にありがとうございます。
日露関係は,安倍総理とプーチン大統領との間の緊密な対話を基礎に,幅広い分野で発展を遂げています。10日前には,大阪G20の際に日露首脳会談が行われ,私も同会談に出席するため日本に帰国していました。
その機会にあわせ,両首脳の参加を得て「日露交流年」の閉会式が開催されました。「ロシアにおける日本年」では,600以上の行事が実施され,150万人を超える方に出席いただきました。本日のレセプションには,「ロシアにおける日本年」開催のため尽力いただいた方もご列席いただいております。この機会に,あらためて感謝申し上げます。
ご列席の皆様,
日本とロシアとの間の防衛交流は活発に行われています。昨年7月には,第3回日露「2+2」がモスクワで,本年5月には,第4回日露「2+2」が東京で実施されました。日本は,「2+2」を,包括的かつハイレベルな安全保障問題に関する協議を行う仕組みとして重視しております。
また,昨年10月の河野統合幕僚長の訪露,本年5月の湯浅陸上幕僚長の訪露など,ハイレベルの防衛交流が続いています。
日露間では,共同訓練を含め,部隊間の交流も着実に進展しています。先月,日露捜索・救難共同訓練が実施されましたが,1998年の開始以来,19回目の共同訓練となりました。また,昨年,アデン湾における海賊対処共同訓練が初めて実施されました。このような共同訓練の中で,両国の隊員間の友情が育まれており,その友情は,日露間の信頼関係醸成を促進しています。
さらに,この機会に,皆様にご紹介したいのは,第三国における非伝統的脅威への対応における日露協力です。日本とロシアは,ドモジェドヴォの露内務省職員技能向上施設を利用し,アフガニスタンにおける麻薬対策のため,アフガニスタン及び中央アジアの麻薬対策官の研修を行っています。2012年の開始時から,すでに200人近くの研修を実施しました。現在,カブールにおける麻薬探知犬訓練センターの建設に向けた取り組みも進展しています。日露の第三国における協力は,大きな潜在力を有しています。
ご列席の皆様,
ここで,私から,良いニュースをお伝えいたします。本年夏,陸上自衛隊中央音楽隊は,ロシアにおける国際軍楽祭「スパスカヤ・タワー」に初めて参加します。ご列席の皆様にも,陸自中央音楽隊の素晴らしい演奏を是非聴いていただきたいと思います。
最後に,日本は,平和国家として国際社会と地域の平和,安定及び繁栄の実現のためにより一層大きな貢献を果たしていく決意です。自衛隊の65周年を,皆様とともにお祝いできることを,大変嬉しく存じます。
ここで,杉浦防衛部長(一等海佐)を紹介いたします。杉浦部長はモスクワでの3年間の任期を終え,今月日本に帰朝いたします。杉浦部長には,日露間の防衛協力発展のため,大いに貢献いただきました。
杉浦部長,お願いします。
【杉浦部長の挨拶】上月大使,ご紹介ありがとうございます。皆様,防衛駐在官杉浦1海佐です。 まもなくロシアでの3年間の任務を終えます。この間,ここにお集まりのロシア国防省関係者,各国武官をはじめ多くの方々からの御支援,御協力を得つつ,無事任務を果たすことができました。 私の在任期間に尽力した日々の業務が,今後の日露関係に留まらずアジア太平洋地域及び世界の平和と安定に結びつくことを心より願っております。これまでの皆様の暖かいご支援に心より感謝します。 私に代わり皆様の新たな仲間として,防衛駐在官神田1海佐が加わりました。今後とも,皆さまとの緊密な連携,そして皆さまからの御協力をお願い申し上げます。
それでは,自衛隊創設65周年を祝し,すべての皆様のご健勝とご発展のために,乾杯したいと思います。乾杯!