天皇陛下即位祝賀レセプション兼「ロシアにおける日本年」感謝レセプションにおける上月大使挨拶

令和元年6月13日


尊敬するシュヴィトコイ大統領特別代表,
ご来場の皆様,


本日,多くの皆様にお越しいただき,心より歓迎いたします。
このレセプションは,2つの目的を持って開催されます。


第一に,天皇陛下即位記念です。今年5月1日,今上天皇が即位され,元号は「令和」になりました。「令和」は,1200年以上前に編纂された日本最古の歌集「万葉集」の文言から引用したものです。「令和」は,「美しい調和」という意味です。「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という願いがこもっています。また,皇后陛下は,ソ連時代にモスクワの幼稚園に通っていた経歴もあり,ロシアともご縁のある方です。本日皆様とともに,天皇陛下及び皇后陛下の即位をお祝い申し上げたいと思います。


本日のレセプションの第二の目的は,「ロシアにおける日本年」に関わった皆様に感謝を表明することです。
ご承知のとおり,「ロシアにおける日本年」のキャッチフレーズは,「あなたの知らない日本があります」です。「日本年」では,文字通り「初めて」の行事が多く行われました。
昨年5月,ボリショイ劇場で,安倍総理大臣とプーチン大統領が出席し,「ロシアにおける日本年」・「日本におけるロシア年」は盛大な開幕を迎えました。武道と和太鼓という日本を代表する文化が,シュヴィトコイ大統領特別代表とウーリン総裁のご尽力により,ロシアの誇るボリショイ劇場で披露されたのは初めてのことです。また,夏には,中央競馬場で流鏑馬が行われました。秋には,プーシキン美術館で,国宝や重要文化財など多数の江戸絵画の宝が展示されました。歌舞伎公演が,初めてモスクワの日に合わせて開演しました。冬には,モスクワ音楽院の協力により,宮内庁楽部が参加する伝統音楽・雅楽の公演が行われました。また,ここにおられる岩田さんが出演し,バレエと日本舞踊のコラボレーション作品が3都市で公演されました。これらは,いずれも,ロシアで初めて開催されたものです。このような行事は枚挙にいとまがありません。
交流年は,今月29日,大阪で閉会式を迎えます。「ロシアにおける日本年」として登録された行事は約600件,参加者数は約130万人にも上ります。このような大規模な交流年が開催できたことは,駐ロシア日本大使として非常に感慨深いです。交流年が成功したのは,ご来場の皆様の貢献のおかげであり,心から感謝申し上げます。


私は,交流年で高まった交流のモメンタムをさらに強めていきたいと考えています。その観点から,今後特に光を当てていくべき分野は,地域間の交流です。ロシアは広大な国土を有しており,個性ある地方があります。日本にも,それぞれの地方に特色と強みがある。既に地方間で交流が行われているところもありますが,経済・文化・教育を含めた幅広い分野で両国の地方の交流を一層発展させていきたいと思います。2020年には,日露地方交流年が開催されます。是非,ご来場の皆様の協力をお願いいたします。


最後に,ご来場の皆様の今後のご健康とご活躍を心より祈念するとともに,改めて天皇陛下及び皇后陛下の即位に祝意を表して,私の挨拶とさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。



(了)